元石川線・横浜生田線(水沢工区) 進捗状況2021.6

横浜市及び川崎市元石川線・横浜生田線(水沢工区)の進捗状況を見てきました。

横浜市青葉区の美しが丘から川崎市宮前区の清水台を結ぶ区間です。約100mの区間だけ道路が繋がっていません。

事業概要

川崎市側の都市計画道路名は、川崎3・4・11号横浜生田線です。1953年9月30日に当初決定がなされています。
横浜市側の都市計画道路名は、横浜国際港都建設計画道路3・4・18号元石川線です。1957年12月17日に当初決定がなされています。

川崎市では、2008年3月に策定された『川崎市道路整備プログラム』で整備箇所に位置付けられるとともに、その後継の2016年3月に策定された『第2次川崎市道路整備プログラム』においても整備推進路線に位置付けられています。
川崎市側では、市道横浜生田水沢工区として、2018年12月7日に道路区域の変更を行っています。2021年3月末現在の用地取得率は100%です。

横浜市側では、組合施行による元石川第一土地区画整理事業によって整備が行われ、1969年1月14日に換地処分がされています。道路については、1970年1月5日に供用開始の告示がなされています。市境付近については法面になっています。横浜市側については優先整備路線には位置付けられておらず、整備済みという扱いのようです。

上図に示す横浜市青葉区川崎市宮前区の境界部分では、道路を新設する事業が行われています。

川崎市側では市道横浜生田線(水沢工区)として事業が行われています。横浜市側の都市計画道路名称は、「横浜国際港都建設計画道路3・4・18号元石川線」、川崎市側は「川崎都市計画道路3・4・11号横浜生田線」です。

川崎市側横浜市側
延長約100m
幅員16m
区域編入2018年12月7日
2021年6月5日現在

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

写真等

撮影位置はこの通りです。

①横浜市青葉区美しが丘側(地図

横浜市側の末端部です。

この付近では、組合施行の元石川第一土地区画整理事業が行われ、1969年に換地処分されています。市境の末端部のり面も公衆用道路として換地されているようで、従来より市有地のようです。

この道を反対側へ行くと、たまプラーザ駅の北側を通り、鷺沼駅の南側まで繋がっています。

②末端部(地図

現状、横浜市側の末端部は木と草が生い茂っていて、「立入禁止」と書かれた横浜市青葉土木事務所の看板が設置されています。

2020年頃までは下記に示すような看板が取り付けられていました。※ストリートビューでは2020年3月の写真でも設置されています。

この写真は2017年12月26日に撮影したものです。

看板は美しが丘中部自治会によって設置されたもので、「横浜-菅生間 道路貫通絶対反対」と書かれています。かつてはここのほかに、美しが丘中部自治会館交差点にも設置されていました。

川崎市の資料によると、美しが丘中部自治会では、1979年に横浜市に対して『「元石川線」の貫通反対について』という陳情が出され、一環としてこの道路の開通に反対しています。直近では、2016年にも『「元石川線」の貫通反対について(その2)』という陳情が出されています。

横浜市の監査請求資料によると、この看板は市有地(道路)に不法に設置されているもので、横浜市では設置時期は不明であるものの、自治会の資料には1977年に設置した記録があるとのことです。

上記川崎市資料によると、2008年度~2013年度より川崎市が横浜市に対して、この看板の適切な対応を定期的に要望しているとのことです。
横浜市でも、2016年10月及び2019年11月に、自治会に対して適切な対応を行うよう伝えたとのことです。また、2019年5月に自治会に対して撤去するよう口頭で指導するとともに、2019年12月6日に処理要領に基づいた注意書の送付を行ったとのことです。

美しが丘中部自治会のサイトによると、美しが丘中部自治会が美しが丘個人住宅会から組織を変更したきっかけも、この道路のようです。

川崎市議会の議会録を見ると、横浜生田線(川崎市側の名称)についてはたびたび議題として挙げられている一方で、横浜市会の議会録ではほぼヒットしないなど、両市での期待度の違いもありそうな気がします。

川崎市議会2020年第6回定例会の

(議員)
都市計画道路横浜生田線水沢工区の進捗について伺いたいと思います。(略)現在の道路整備プログラムには当時平成33年――令和3年までの着手、完成とはっきり明記されているわけです。川崎市側では、用地の取得及び測量も終わり、あとは詳細設計を行う段階となっております。川崎市サイドはもう着々と進めているということなんですが、横浜市との9月4日の協議の際、横浜市に対し、地元自治会との意見交換会の場を年内をめどに調整することを要請したところ、11月24日の協議では、10月5日に当該自治会から川崎市との意見交換は開催できないと、そのような回答が寄せられたと仄聞するところです。これは本来であれば、横浜市の担当者が主体的に地元自治会と工事実施に向けての調整、交渉を行うべきところ、あたかも川崎市が主体の事業実施であるかのごとき、この腰の引けた消極的な対応は本当に理解に苦しむところです。これは1957年に都市計画決定されてから60年以上も放置されている当事者意識のない横浜市の対応について、本当に甚だ遺憾に感じるところであります。今後、横浜市と事務レベルでどのような協議を行っていくのか、今後の対応について建設緑政局長に伺います。

との一般質問に対し、

(建設緑政局長)
都市計画道路横浜生田線水沢工区についての御質問でございますが、本工区につきましては、北部市場から市境を越え、横浜市側の都市計画道路元石川線と接続する計画でございまして、工事着手に向けては、周辺住民の理解が必要であると考えていることから、本年9月に横浜市との部長級の協議において、まずは、道路整備に対する関係住民との意見交換の開催を要請したところでございます。これに対し、本年11月に横浜市からは、意見交換であっても関係住民から開催の同意が得られず、横浜市としても今回の開催を見送りたいとの回答がございました。今後の対応につきましては、都市計画道路の重要性を踏まえ、両市が共通の認識の下、事業に取り組むことが必要であることから、局長級協議を実施し、横浜市とより一層の連携を図りながら、早期の工事着手に向けて取り組んでまいります。以上でございます。

と、答弁しています。

ちょっと横浜市(側)次第という感がします。

③市境(地図

市境部分は峠のようになっていて、車止めが設置された道路があります。川崎市の認定道路(向ヶ丘101号線)となっています。

道路予定地は単管柵で囲われていました。川崎市側の用地取得率は100%です。

④川崎市側(地図

川崎市の清水台側は直角カーブになっていて、道路予定地には市立菅生緑地があります。菅生緑地は北部市場の緩衝緑地として設置されたものです。

ちなみにこの写真の左側にも都市計画道路があるのですが、スプロール化していてかつ地形の起伏もあり、必要性もそこまで高くはなさそうですから、まあできないでしょうね。

撮影日:2021年6月5日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

コメント

  1. けーたん より:

    いつも楽しみに見ています。
    ここ、家の近所で川崎市側の道路をよく通るのですが、なぜ横浜市側と繋げないのか、ずっと不思議に思っていました(ここ繋げたらとても便利になるのに!)

    議会でも話題になっていたのですね。知りませんでした。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      市境・県境ではありがちですよね。
      記事内でも書きましたが、横浜市側の出方で今後が変わってきそうな区間です。

  2. 美しが丘 より:

    絶対つなげたほうが便利ですよね! 繋げない理由がわからない。

  3. だって。 より:

    横浜市に住んでいる住人には貫通は騒音振動大気汚染がひどくなるので通すことは必要ないのだそうです。たまプラーザ駅前ももっと大渋滞するそうです。

    川崎市側に住んでいる方にしかメリットがないようにも思えますね。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      元から計画があった場所に移り住んできたのに、いざつくるとなると反対するのは虫が良すぎるのではないでしょうか。
      開通により横浜市も含めたより広域的な移動がしやすくなり交流が生まれるメリットがあるほか、美しが丘3丁目交差点付近の歩道がほぼない現道の交通量が減少することにより、美しが丘当地への安全性の向上といったメリットも考えられます。

  4. A より:

    川崎市菅生からたまプラーザに抜ける道は絶対に必要だと思います。お陰で他の道路が大混雑です。川崎市営地下鉄の計画もなくなり駅も遠いのが菅生のデメリットなので早期に開通してほしいです。地域の方とたまプラに買い物行く人が多いので…
    横浜市側も川崎インターや新百合ヶ丘、向ヶ丘遊園方面に行くのには便利だと思うので。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      そうした声を横浜市役所に届けると変わってくるかもしれませんね。
      賛成反対に関わらず、住民の声というのは大きな判断材料になります。

    • 名無しの権兵衛 より:

      こちらの地区(川崎市側)に、30年住んでいます。最寄りはたまプラーザなのに、そこに行くのが一番不便なのです。バスがなく、溝の口へ出るしかありません。買い物に行くのも、わざわざ、遠回りをしてたまプラーザに出ざるを得ず、ガソリンの無駄です。これは、個人的な利益をいってるのではなく、地球エネルギーを考えても、どれだけの多くの車が、遠回りをしてるのか、考えてもらいたいです。その計画道路の沿道のたった数10軒の個人的利益のために、そこを通る場合と、通れない場合で少なくとも往復で15分は余計に時間がかかります。ここが開通すると、混雑する溝の口行きのバスをたまプラーザ行きと分散することもできるのではないでしょうか。毎日、朝溝の口行きのバスに乗りながら、たまプラーザ行きのバスがあると石油の無駄遣いを少しでも減らすことができるのではないかと思っています。一部の住人の反対で、多くの地球の大事なエネルギーを使い、二酸化炭素を出しているのです。いい加減横浜市側も反対している住人に理解を求めてもいい時期ではないですか?また、私欲を丸出しに反対している住民の方々、そろそろ、公益を考えることができる大人になってください。以前川崎市の広報で、平成30年度に工事着工する(正確ではないかもしれませんが)的な記事が出ていて、本当に楽しみにしていましたが、今だにまったく工事の気配がないですね。
      どうなってるのですかね、情報を開示してもらいたいですね。

  5. 匿名 より:

    菅生に住んでいるものです。菅生地区は川崎市営地下鉄の計画も凍結され最寄駅に出るのにバスで20分かかります。菅生地区の最寄り駅はたまプラーザ駅なのですがバス路線がなく大変不便です。美しが丘に住む人が引っ越す前から横浜生田線の道路計画があるのに後から来た人が反対するのはどうかと思います。先に住んでいた人の意見が尊重されると思います。
    他の道は渋滞しており美しが丘3丁目交差点付近は歩道もない箇所があるので早期に開通して欲しいです。

  6. たまプラーザ団地住民 より:

    聖マリアンナ医科大学病院への輸送路確保として本来横浜市側から建設するべきもの。

    • yunomi-chawan yunomi-chawan より:

      その声は横浜市役所に伝えてください。
      住民の声というのは市政運営の大きな判断材料になります。

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