補助第132号線(西荻窪) 着手前の状況

杉並区の西荻窪で事業が予定されている補助第132号線の着手前の状況を見て来ました。

補助第132号線杉並区大宮前五丁目(五日市街道交点)から練馬区下石神井町に至る全長約6,650mの都市計画道路です。

1947年(昭和22年)に戦災復興院告示により都市計画決定され、その後1950年(昭和25年)と1966年(昭和41年)に都市計画変更されて現在に至っています。特に1966年の都市計画変更では西荻窪駅付近のルートが変更されています。

西荻窪駅付近では神明通り青梅街道間の約1,070mで『第四次事業化計画』の優先整備路線に指定されています。杉並区が施行者となって事業が予定されています。現在ある幅員11mの道路をJR中央線より北側は16mに、南側は20mに拡幅する計画です。

事業は複数の区間に分けて行うようで、北側が最初の事業認可申請区間となっています。

ちなみに、この道路は一部で反対運動が起きているようです。杉並区内の阿佐ヶ谷の再開発、高円寺の都市計画道路でも同様の反対運動があるようです。

追記

2020年4月7日に北側の区間が事業認可されました。

補助第132号線杉並区大宮前五丁目から練馬区下石神井町に至る延長6,650mの都市計画道路です。

このうち、神明通りから青梅街道に至る区間では『東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)』で優先整備路線に選定され、このうち、石神井川南側から青梅街道に至る区間では2020年4月7日に事業認可を得て道路を拡幅する事業を行っています。

事業認可区間の施行者は杉並区、事業延長は約606mで、現在幅員約11mの道路を16mに拡幅します。

施行者杉並区
延長約605m
幅員16m
車線数2
事業施行期間2020年4月7日~2030年3月31日
2020年9月14日現在

この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。

参考

参考(同様の構造の道路)調布市仙川

参考として、幅16mの同様の構造の道路を掲載します。幅16mは2車線の道路としては標準的な大きさで、とりわけ広いわけではありません。

都市計画マスタープランの位置づけ

都市計画マスタープラン(市町村マス)は都市計画法に基づき、市(区)町村の基本構想や都市計画区域マスタープランなどに即して、市(区)町村が創意工夫のもとに住民の意見を反映し策定するものです。まちづくりの基本理念や目標、全体目標、地域別構想などが定められることがあります。

杉並区では2013年に改定を行い、『杉並区まちづくり基本方針(杉並区都市計画マスタープラン)』として策定しています。

このなかで、補助第132号線についてはこのように位置づけされています。

・駅へのアクセスルートの強化や歩行環境の向上、駅南口の広場機能の充実などの観点から、都市計画道路補助132号線(青梅街道~神明通り)の整備の促進を図ります。

・都市計画道路補助132号線の整備にあたっては、沿道等の建物の共同・協調的建て替え、耐震化・不燃化建替えを誘導し、後背住宅の住環境に配慮した土地利用を図るとともに、みどりの軸や駅前通りとして地域のシンボルとなる沿道景観づくりを進めます。

・神明通りについても、歩行者空間の充実の観点から主要生活道路として整備を検討し、商店街としてのまちなみ形成の誘導、都市計画道路保持132号線との交差点部などの交通安全対策を検討します。

写真等

撮影位置はこの通りです。

今回はこの事業が予定されている区間を見て来ました。偶然西荻窪を通りかかったので、「ついでに」といった感じです。

①青梅街道から(桃井四丁目交差点)

ここから南側が事業予定区間となっています。

写真の道路の右側に拡幅するような形で、道路右側の建物は建築制限がかかって低層になっているのがよくわかると思います。

ちなみに、この付近一帯は大正時代~昭和10年(1935年)にかけて井荻町土地区画整理事業が行われました。この土地区画整理事業は当時の井荻村(1926年町制施行)の全域888haを施行区域とした大規模なもので、現在でも杉並区の中でこの付近の道路が碁盤の目状になっているのはこのためです。

②桃井四丁目交差点の南側

戦前に土地区画整理事業が行われましたが、右折レーンが整備されていないなど、やや流れの悪い場所があるようでした。桃井四丁目交差点では、先発後発方式の時差式信号になっていました。

現在の道路はこのような構造です。

2車線の道路の両側に歩道があり、プラタナス類の街路樹が植えられています。路線バスも多く走ります。

路上駐車や右折車両があると流れが滞る道幅ですが、この付近では比較的道幅の広い部類となるようです。

④善福寺川

善福寺川を横断します。

この先やや右にカーブします。ちなみに、1966年の都市計画変更まではここをまっすぐ直進する計画でした。現在の計画が西荻窪駅南側で屈折しているのもそのためのようです。

⑤善福寺川の南側

この付近も写真右側(西側)を拡幅するような計画です。建築制限があって道路に面するあたりが低層になっているのがわかると思います。

⑥屋根のある歩道

西荻窪駅に近づくと、歩道に屋根があります。この付近は西荻北銀座という商店街のようになっています。

⑦西荻窪駅の北側

沿道の高層化も進み、一部で屋根だけになっている個所がありました。

⑧西荻北銀座

駅側から見るとこんな感じ。道路が拡幅されると、左側建物の高層部分手前まで広がるのがよくわかります。左側角の建物も昨年建て替えられたときに後退したようです。

なお、区議会において、現計画に決定してから50年以上建築制限がかけられていたこともあり、現計画を変更する考えはないとの答弁があります。

⑨西荻窪駅北口広場

西荻窪駅北口広場内にも都市計画道路(交通広場)があります。ただし、現状の計画ではさほど広くはならないようです。

⑩西荻窪駅南口

現在の都市計画では南口にも交通広場が予定されています。こちらも現状の計画ではパチンコ店がなくなる程度で、大した大きさではありません。

⑪西荻窪駅南口

この付近は幅20mに拡幅する計画となっています。現在のアーケード街(この道路の右側に存在)はこれに含まれませんが、再開発事業に向けて水面下で動いているようですね。

都市計画の情報は都市計画図等を参照してください。現在、再開発事業について都市計画上決定した事項はありません。

 

都市計画マスタープランにおいては西荻窪駅周辺はこのように書かれています。

このようにあり、現在のところ再開発について明確に示されたものはありません。

道路計画が直接的に再開発に結び付くものではないものと考えられますが、道路の拡幅を起爆剤として再開発の機運が高まる可能性は考えられます。

市街地再開発事業は個人で行うもの、地主が組合を作り行うもの、再開発会社が行うもの、地方公共団体が行うもの、機構等が行うものなどいろいろあります。また権利変換方式の第一種事業と、管理処分方式の第二種事業があり、個人と組合は第一種事業のみ行うことができます。

都内の多くは組合施行の第一種市街地再開発事業ですが、組合の設立には権利者の2/3以上の同意が必要など、手段を踏むことになります。地方公共団体施行でもいろいろな決まりがあります。

ほかにも、市街地再開発事業とは別に、ある特定の人が土地を買い(地上げ)、1枚の土地として開発を行う可能性もあります。

杉並区は高円寺などでも別の道路で反対があるなど、このような再開発に敏感な地域であると感じています。現在ここの再開発について決定した事項はありませんが、どの地域であっても、その土地にふさわしいまちづくりを行う必要があると感じます。

撮影日:2019年7月16日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。2019年7月31日、2020年9月14日一部追記

コメント

  1. 匿名 より:

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