
2025年12月12日及び13日に、北野街道の片倉町交差点~つどいの森入口交差点間に都市計画道路を決定するための素案説明会が、沿線地区で開催されました。
あわせて用途地域、高度地区、防火及び準防火地域を変更する都市計画変更(八王子市決定)についても、素案説明会が開催されています。
現状 都市計画道路が存在しない区間
変更概要等
片倉町交差点から東側には八王子3・3・13号下柚木片倉線が、つどいの森入口交差点から西側には八王子3・3・73号小比企狭間線がそれぞれ都市計画決定されていますが、この間には都市計画道路は存在していませんでした。
上記の都のパンフレット等によると、今回の都市計画道路の決定は、片倉町交差点から東側で決定していた八王子3・3・13号下柚木片倉線を、つどいの森入口交差点まで延伸する都市計画変更の形が取られる予定です。これにより、これまでの計画延長約4,820mから約5,430mに延伸されます。
計画幅員は18m(片倉町交差点付近は21m)で、車線数は2となる計画です。
※これに合わせ、既に整備済みの下柚木二丁目までの区間も車線数を2または4として決定する予定です。これは、かつては車線数を定める必要がなかったもので、近年では何かの都市計画変更の際に全線の車線数を決定するのが通例となっています。
都市計画変更素案によると、幅員18mの都市計画道路とする予定(一部21m)で、両側に3.75mの歩道が整備される計画です(一部除く)。
なお、都の資料によると、2006年と2024年に「八王子南バイパス・アクセス道路・街づくり協議会」から「幅員25mの事業化」の要望が出されていますが、東京都条例(※)に定められた4車線の基準の交通量に満たないことから、18m2車線とするとのことです。
(※都道における道路構造の技術的基準に関する条例のことと思われる。)
都の説明資料によると、片倉町交差点付近は幅員21mとし、左折・直進・右折の3レーンを整備する計画です。
国道20号八王子南バイパス開通にむけ拡幅が課題

近隣では国による国道20号八王子南バイパスが事業中です。西側から順次整備が進められていて、現在は八王子市大船町~八王子市館町間で集中して工事が行われています。
2021年4月27日の記者発表により、八王子市大船町~八王子市館町間は今後5年程度で開通予定と発表されましたが、2024年5月23日開催の道路調整会議(第1回)において、この区間のトンネル工事における作業効率の低下を理由に、具体的な開通予定時期については改めてお知らせする予定と修正されました。
しかしながら、この区間は数年程度で開通すると見られ、開通後はつどいの森入口交差点~高尾山IC間が通り抜けられるようになることから、北野街道の片倉町交差点~つどいの森入口交差点間はボトルネックとなることが予想されます。
また、八王子南バイパスが全線開通後も、国道16号(現道)東京環状と八王子南バイパスは立体交差となり、ランプは都心方面にしか設けられない予定のため、国道16号(現道)東京環状から高尾山IC方面へはこの区間を経由する必要が生じる予定です。
参考:八王子南バイパスについてはこちら

2016年3月に策定された『東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)』では、この区間について「道路網の拡充について検討を進めていきます」と記載されていました。
それにしても、都の説明会資料を見ていると、この区間は八王子南バイパスの開通後の交通状況がかなり影響するはずなのに、八王子南バイパスについての言及がかなり薄くてびっくりしました。
今後のフロー
都市計画素案説明会資料によると、法令通りの通常の都市計画変更の手続きを経て都市計画決定する予定で、都市計画決定後は事業概要等の説明会を開催し、事業認可等の手続きを経て事業着手する予定とのことです。
なお、事業着手時期については明記されていません。
国道16号(現道)東京環状でも対策検討進む
八王子南バイパスと交差する国道16号(現道)東京環状でも、対策の検討が進められています。
2019年から2024年まで過去5回、国土交通省・東京都・八王子市による「国道16号 片倉町・万町地区 現道対策調整会議」が開催され、片倉町交差点南側付近~黄金橋交差点付近間の対策の検討が行われています。
この区間は、幅員25mで都市計画決定していますが、現状の幅員は9~14mです。
現道であるため具体的な拡幅事業は現時点では行われていません。
検討会議資料によると、国道16号八王子バイパスの無料化後、現道の交通量は25%減少したとしつつも、片倉町交差点~子安町交差点間は依然として交通容量を超過しており、交通特性を踏まえた具体的な対応方針の検討が必要としています。
また、短期対策として、子安町交差点の右折車線延伸の検討を行うとともに、京王高尾線交差部は交差位置や施工方法の検討を行うと共に鉄道事業者等と調整するとしています。
調整会議は、年1回程度開催されています。
個人的には、「国お得意の既に決まっていることを会議という体裁だけ整えてやった実績を作るアレ」なのかなと思っていたのですが、検討の進み方が非常に遅く、資料だけでは5年で何も進んでいないように見えます。
国としても、無料化したバイパスがあるのに、本来都道府県道に格下げするような現道の再整備に手を出しづらいのかななんて想像しています。
撮影日:2025年12月10日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。










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