境川の狭窄部改善のため相鉄本線の架替え工事中 進捗状況2024.12

神奈川県東京都を流れる境川のうち、横浜市瀬谷区と大和市の境界に位置する相鉄本線交差箇所では相鉄境川橋梁の架替え工事が行われています。

境川は、町田市相原町・相模原市緑区川尻堺から藤沢市片瀬海岸付近で海に至る延長52.1kmの二級河川です。

鶴瀬橋付近~根岸橋付近間は東京都が、それ以外を神奈川県が管理を行っています。

現在、相鉄本線交差部で工事が行われているのは、神奈川県が管理している区間の一部です。

現在は2015年4月に策定された『境川水系河川整備計画』に基づき、東京都管理区間は年超過確率1/20(1時間当たり概ね65mm)、神奈川県管理区間では年超過確率1/10(1時間当たり概ね60mm)の降雨を安全に流すことのできる河川整備が進められています。

東京都管理区間では、既に50mm/hに対応する護岸の整備が概ね完了していますが、下流の神奈川県管理区間が30mm/h程度しか対応していないため、河床を掘削できず30mm/h程度の対応にとどまっています。また、東京都区間では65mm/h対応できるよう、調整池の整備を3箇所で行っています。

境川は毎年のように氾濫または氾濫に近い状態となっています。

ボトルネックとなっている相鉄本線交差箇所

その神奈川県管理区間でボトルネックとなっている箇所は2つあり、そのうちの1つが相鉄本線が交差する部分です。

この部分では、河道を付替え護岸を整備する事業が実施中で、大きく蛇行した河川を直線的に付け替える予定です。

このため、現在は、相鉄本線の橋梁を架け替える工事が行われています。

工事はおそらく施行協定で相模鉄道株式会社に委託されており、相模鉄道株式会社が大成建設株式会社に発注しています。

看板によると「二級河川境川河川工事に伴う相模鉄道本線境川橋架け替え工事」で、2026年12月29日までの予定で、大成建設株式会社が施工しています。

現地広報ディスプレイに表示の案内

相鉄本線の大和駅側の土工部に、新しく河川を通すための橋梁を設ける計画です。

工事が進む橋梁予定地

既に線路に沿って土留め鋼矢板が打設されており、前面部分(立坑)の掘削も進められています。

橋梁はPCR工法によって構築される予定のようで、横からPCR桁を推進で突っ込んでいくような工事になります。

上流側

上流側には仮設桟橋の設置がされていて、一部通路を通行止めにしながら工事車両の出入りを行っているようでした。

PCR桁の推進は上流側から下流側に向かって行うようです。なお、推進工事は夜間のようです。

神奈川県の資料によると、河川付替えは5年以上はかかる見込みで、別途予定されている鹿島橋の架け替えの際には車両通行止めが予定されています。

鹿島橋下流側

この事業では、ここから下流の護岸工事も行われていて、鋼管杭による垂直な護岸を整備することで、河川の断面を確保していく計画です。

藤沢橋のボトルネック箇所

さらに下流の藤沢橋付近(堰跡橋~御殿橋間)もボトルネックとなっていますが、周辺が市街化していて拡幅ができないことから、バイパストンネルを建設する計画で、神奈川県藤沢土木事務所の資料によると、現在整備内容の検討や設計が行われているとのことです。

撮影日:2024年12月21日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。

コメント

  1. Shira より:

    なにか工事をしているとは気づいていましたが、このような内容だったのですね。記事の投稿ありがとうございます。

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