
多摩ニュータウンは、稲城市・多摩市・八王子市・町田市にまたがり開発されました。
開発手法は、新住宅市街地開発事業と土地区画整理事業で行われ、東京都・UR都市機構(旧日本住宅公団)・東京都住宅公社・土地区画整理組合などにより施行されました。
このうち、UR都市機構により施行された新住宅市街地開発事業(上記図赤字)は、2005年度末で事業を完了しています。
これらの区域の施設用地の土地の一部には、UR都市機構が土地の所有権を有したまま、事業用定期借地権を設定し、商業施設等を開業させた箇所が複数存在しています。一方で、事業完了から20年が経過し、その借地状況に変化が生じているため、今回まとめてみることにしました。

事業用定期借地制度
事業用定期借地権とは
専門家でも宅建を持っているわけでもないので詳しくはググっていただきたいところですが、事業用定期借地権とは、1992年に創設された制度で、利用目的を店舗や工場などの事業用建物に限り、存続期間を限定して借地権を設定する方法です。
現在は法律が改正され、存続期間は10年以上50年未満で契約することとなっていますが、2008年以前は10年以上20年以下とされていました。
URの事業用定期借地
多摩ニュータウン事業完了時に、UR都市機構が『多摩ニュータウン開発事業誌』を発行しており、そこに導入に至った経緯が記載されています。
バブル経済崩壊以降、ストックからフローが重視される商業環境の変化もあって、土地利用や処分方式の柔軟性に乏しい新住宅市街地開発事業区域内の施設用地の販売は苦戦する状況が続いた。
多摩ニュータウンでは、谷戸の幹線道路沿道は土地区画整理事業で整備されたことから、使用収益が開始された民有地では借地方式等により、ロードサイド型商業施設等の立地が進んでいた。
公団は、平成7年度から、土地の有効活用を図り、施設用地における早期のビルドアップを図ることを目的として、事業用借地制度を導入することになった。
これは、工事完了した宅地を事業者公団から地主公団への自己処分を図り、地主公団として民間事業者に一定期間借地し、土地利用を図るものである。
この方式の導入により、これまで新住宅市街地開発事業区域内では立地が困難と考えられていたロードサイド型の商業施設や飲食店の立地が可能になった。多摩ニュータウン開発事業誌市域編ⅡP250
ちなみに、東京都が事業を行った南大沢駅周辺では、東京都が所有権を有する駅北側の土地を15年契約(その後10年延長)で三井不動産が事業用定期借地で借地し、三井アウトレットパークを開業しています。そしてその契約が切れる2025年以降についても再選定を行い、引き続き三井不動産と30年超の契約しています。
事業用定期借地を調べるのは困難
事業用定期借地は、公正証書による設定契約をすることとなっていますが、土地の登記の義務はないため、どの土地がそうなのか、調べるのが非常に困難です。建物の登記簿を見れば何となくわかりますが、それでも契約内容はわかりません。(多摩ニュータウン内の同制度初期の数筆は借地権登記されていた)
UR都市機構に問い合わせましたが、「所在、賃借期間および契約相手方につきましては、当機構と賃借人との間の契約内容に係る情報となり、賃借人の企業経営に影響を及ぼしかねないため、当機構のみの判断で回答は致しかねます。」とのことでした。
ただUR都市機構は独立行政法人なので、情報公開請求をすれば、定期借地かどうかくらいは出て来そうなものですが、面倒なのでそこまでやっていません。
今回は、『多摩ニュータウン開発事業誌』に事業用定期借地を設定したと記載がある土地すべての登記簿を取得し、現在の所有権者に変動がないかを調べました。次項以降でその状況をまとめます。(ネット取得でも1筆300円ちょいするので結構かかりました)

以下では、上記の通り3つのパターンで分類してみました。
借主以外に売却した土地

向陽台サイゼリヤ・ほっともっと だった土地
サイゼリヤ稲城向陽台店とほっともっと向陽台店がありましたが、サイゼリヤは2023年6月26日を持って閉店、ほっともっとも2024年に閉店し、現在は更地となっています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、オープンは2003年10月とのことでした。契約期間は書かれていません。
土地の登記簿によると、2023年6月30日に積水ハウス不動産東京株式会社に売却。2025年2月1日に商号変更で積水ハウスシャーメゾンPM東京株式会社に。同日会社分割で積水ハウス不動産株式会社に。2025年7月10日には新日本建設株式会社にさらに売却されています。
現地には新日本建設株式会社を施工者とする建築計画のお知らせが掲示され、62戸のマンションとなるようです。
尾根幹沿いの事業所だった土地
既に建物を残して、シー・アイ・シーは撤退している模様です。
土地登記簿によると、2024年11月25日に大和ハウス工業株式会社に売却、2024年12月19日に株式会社テイ.エス.エスにさらに売却されています。
現地には(株)テイ.エス.エスの看板が掲げられていましたが、使われているような雰囲気には見えません。
フレスポ若葉台

大和リースによる商業施設フレスポ若葉台が立地する土地です。核テナントにヤオコーが入居しています。
現在もフレスポ若葉台として営業しています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、フレスポの開業は2006年3月。事業用借地期間は20年だったとのことです。
土地登記簿によると、2023年5月31日に借主とみられる大和リース株式会社に売却しています。その後、2025年2月26日に個人に売却されています。そして、2025年6月11日に土地を4つに分割。そのうちの1筆(4番9)について持ち分の一部を株式会社Heroic incestmentに売却しています。
個人が買うにしては数十億はくだらない土地だと思うのでただ者ではなさそうですし、この会社をググると同じ会社かは不明なものの、福岡を本社とするスーパーマーケット「TRIAL」の持ち株会社「株式会社トライアルホールディングス 」の会長の資産管理会社みたいな情報がでるんですが、TRIALは何か企んでいるんでしょうか?
なお、建物登記は大和リースのままでした。
京南オートサービス
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、「オートボディクラフト ハラ」に事業用定期借地をしていた旨が書かれています。ストリートビューを見ると2010年ごろに看板をかけ替えて京南オートサービスにかわっています。
土地登記簿によると、2020年11月16日に現在の運営会社である京南オートサービス株式会社に売却しています。
オートボディクラフトハラと京南オートサービスの関係性は不明なため、このページでは借主以外に売却としましたが、たぶん関係会社か存続会社なんじゃないかなぁ……シランケド。
蔦屋書店→ドラッグストアコスモス
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2003年7月に、TSUTAYAのフランチャイジーであるトップカルチャーと契約した旨が書かれています。蔦屋書店閉店後、建物は解体され更地になりました。
土地登記簿によると、2023年7月24日に株式会社コスモス薬品に買戻特約付きで売却。現在はドラッグストアコスモスの建設が進められています。
ミヤムラテニスだった土地

尾根幹沿い、ミヤムラテニスがあった土地です。
土地登記簿によると、1997年7月にミヤムラテニスセンター株式会社と、存続期間20年とする事業用定期借地の契約を行いますが、2017年8月に借地権を抹消。
2018年12月にはトヨタホーム株式会社に売却。その後、2020年12月にCJケア合同会社にさらに売却しています。その土地には「TASUKY Mall 多摩」が開業していますが、外から見る限りテナントが入っているのか不思議な状態です。
レイテックス→ガンデンコート(マンション)
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、事業用定期借地だったとのこと。
土地登記簿によると、2013年11月7日にNYトラストアセットマネジメント株式会社に売却。その後2014年9月17日に株式会社サンウッドに売却。さらにその後、2015年10月15日に持分の3/10を東レ建設に売却。現在の「ガーデンコート多摩センター」を建設分譲後、所有権は共有者全員持分全部敷地権に変わっています。
Tama Time(わんにゃんワールド)→長谷工コーポレーション
長谷工コーポレーションのテクニカルセンターなどの事務所がある土地です。
かつてはアミューズメント・商業施設の「Tama Time」があり、この区画には「わんにゃんワールド」がありましたが2009年に閉館しています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、1999年6月に幸洋コーポレーション他4社のグループに15年の借地契約をしていたとのことです。
土地登記簿によると、2016年4月28日に株式会社長谷工コーポレーションに売却しています。
Tama Time→KDDI・長谷工・マンション
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、1999年6月に幸洋コーポレーション他4社のグループに15年の借地契約をし、アミューズメント・商業施設の「Tama Time」がありました。2015年に閉店しています。
土地登記簿によると、その後、土地の分筆・合筆を行い、現在は主に3つの筆に分かれています。
一番区画の大きい鶴牧三丁目5番3は、2017年3月21日にKDDI株式会社に売却し、現在はKDDIのビルが立っています。多摩ニュータウン周辺は、以前からKDDI系のデータセンターなどが多く立地しています。
北側の鶴牧三丁目5番1は、2014年4月30日にTIS株式会社に売却。2020年3月31日に株式会社長谷工コーポレーションにさらに売却しています。なお、この土地には2017年11月にTIS株式会社グループの株式会社アグレックスが、事業所「Biz TRUXIA」を開設しています。
2020年9月30日に三菱地所レジデンス株式会社・神鋼不動産株式会社(2022年4月1日にTC神鋼不動産株式会社に商号変更)・積水ハウス株式会社・大林新星和不動産株式会社・京阪電鉄不動産株式会社・株式会社長谷工不動産に売却。
分譲マンション「ザ・グランクロス多摩センター」として販売し、2024年12月4日に共有者全員持分全部敷地権を設定しています。
ワイルドワン多摩ニュータウン店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、運営会社である株式会社カンセキと事業用定期借地として契約していたとのことです。
土地登記簿によると、1996年11月1日からの20年の契約だったとのことです。その後、2012年9月26日に株式会社カンセキに売却。さらに同日、東宝不動産株式会社に売却。2017年3月1日に会社合併により東宝株式会社が所有しています。
コルトーナ→ヴィラ デ マリアージュ→クリエイトSD
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2002年3月22日に株式会社ホーミングと事業用定期借地契約を行い、2002年9月に「コルトーナ多摩ウエディングヒルズ」として開業しました。
検索したところその後会社の倒産との情報が出て来ますが(確定した情報がわからないので割愛)、結婚式会場としては営業を続け、2019年からは「ヴィラ デ マリアージュ多摩南大沢店」として営業をしてきましたが、建物の取り壊しを理由に、2024年6月30日に閉店しました。
土地登記簿によると、2つの土地ともに、2025年8月29日にドラッグストアを運営する株式会社クリエイトエス・ディーに売却されています。

この結婚式場の周辺には長池公園と、それに掛かる長池見附橋があります。
長池見附橋は、もともと四ツ谷にあった都内最古の陸橋であった四谷見附橋を縮小のうえ移築・再築したもので、下部工や装飾なども環境と景観に配慮されています。
周辺の集合住宅なども景観に配慮されていて、統一したデザインとなっており、周辺の公園も含めてロケ地としてよく使われています。
結婚式場の建物も同様に景観が統一されています。

クリエイトエス・ディーが土地を取得したとのことで、おそらくドラッグストアを出店するんだろうなぁとは思うんですが、頼むから景観に配慮した建物・屋外広告物にしてくれ!!
借主に売却した土地

セブン-イレブン稲城百村店
『多摩ニュータウン開発事業誌』には事業用借地であったことが書かれています。
土地登記簿によると、2018年2月28日に株式会社セブン-イレブン・ジャパンに売却されています。レシートのインボイス番号で検索したところ直営店ではなさそうでした。
apollostation 稲城向陽台SS
『多摩ニュータウン開発事業誌』には、事業用借地であったことが書かれていますが、土地登記簿によると、多摩ニュータウン事業終了直前の2006年3月23日に関東礦油株式会社に売却されています。また、事業誌には2006年11月開業予定と書かれていることから、事業用定期借地とはせず、最初から売却していたんじゃないかという気がします。
若葉台駅前KMビル
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、ビルは株式会社リープにより2005年8月にオープンしたもので、事業用借地期間は20年だったとのことです。
土地登記簿によると、2023年5月31日に株式会社リープ東京に売却。同年8月1日に商業変更し株式会社リープとなっています。借主にそのまま売却したとみて間違いはないと思います。
コープみらい→ロピア若葉台店
かつてはコープみらい、サンドラッグが同じ建物で営業していましたが、2023年3月をもって閉店しました。閉店時には定期建物賃貸借契約の満了が理由である掲示がされていました。
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、三井リース事業株式会社(現:JA三井リース)に事業用定期借地をしていた旨が書かれています。三井リースから建物をコープみらい等にさらに賃貸借していたのでしょう、たぶん。
土地登記簿によると、2023年6月15日に土地の借主であったJA三井リース建物株式会社に売却。2025年8月5日に三井住友信託銀行に信託し、委託者を農中JAMLリート投資法人に変更しています。(※農林中央金庫・JA三井リース株式会社・JA三井リース建物株式会社の資産運用会社である農中JAML投資顧問会社が運営する投資法人らしい(出典))
サンマルク多摩南野店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、サンマルクのフランチャイジーである東京コールドチェーンに契約し、1997年3月に開業したことが書かれています。
事業用定期借地は登記義務がないため登記されないことが多いですが、多摩ニュータウンの初期の借地では登記されていることがありました。ここでも登記がされており、1997年3月に15年の存続期間で借地権設定がされ、2011年8月に賃借権を抹消の上、株式会社サンマルクホールディングスに売却されています。
変わらずサンマルクとして営業しています。
丘の上パティオ(本館)
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、新都市センター開発株式会社による商業施設です。新都市センター開発株式会社は、UR都市機構のグループ会社(URが都市開発を行った地区で施設運営を行う株式会社新都市ライフホールディングスの子会社で、多摩ニュータウンで事業を行う会社)です。
本館部分は1992年11月に開設され、当初は暫定施設との位置付けで、公団が土地の一時貸付を行う形だったものの、2003年2月に事業用定期借地(20年)に切替えを行ったとのこと。
土地登記簿によると、2017年12月22日に三井住友信託銀行株式会社に信託していますが、2022年12月22日に信託に関する委託者を日本土地開発合同会社に変更、さらに同日委託者を新都市センター開発株式会社に変更しています。(所有権は厳密には受託者である三井住友信託銀行ですが、信託なのでこのカテゴリに入れています)
丘の上パティオ(新館)
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2005年11月に開設されたとのことです。また事業用定期借地だったとのことです。なお、この施設ができる前は、旧公団が運営するPR施設「たまヴァンサンかん」がありました。
土地登記簿によると、2017年12月22日に三井住友信託銀行株式会社に信託していますが、2022年12月22日に信託に関する委託者を日本土地開発合同会社に変更、さらに同日委託者を新都市センター開発株式会社に変更しています。(所有権は厳密には受託者である三井住友信託銀行ですが、信託なのでこのカテゴリに入れています)
天本病院
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、もともと多摩市貝取にあった天本病院が移転したものです。事業用定期借地だったようです。移転後は新天本病院となっていましたが、2016年に天本病院に名称が戻っています。
土地登記簿によると、2010年3月30日に運営法人である医療法人財団天翁会に売却。その後合併により2017年2月28日に社会医療法人河北医療財団になっています。
トヨタS&D西東京 八王子堀之内店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2004年3月30日に事業用定期借地で契約していたようです。
土地登記簿によると、2024年3月15日にS&D多摩ホールディングス株式会社に売却しています。
駐車場
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2005年6月23日に新都市センター開発株式会社と事業用定期借地契約を行ったとのこと。
土地登記簿によると、2017年12月22日に三井住友信託銀行株式会社に信託されていますが、2022年12月22日に信託に関する委託者を日本土地開発合同会社に変更、さらに同日委託者を新都市センター開発株式会社に変更しています。(所有権は厳密には受託者である三井住友信託銀行ですが、信託なのでこのカテゴリに入れています)
餃子の王将 南大沢店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、1996年5月30日に株式会社王将フードサービスと1996年11月1日から20年契約で事業用定期借地契約を行っていたとのことです。多摩ニュータウンのUR区域では事業用定期借地第1弾だったそうで、初期の敷地は登記もされていました。
土地登記簿によると、2010年2月18日に株式会社王将フードサービスに売却されています。
ジョリーパスタ 南大沢店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、1996年3月28日に株式会社サンデーサンと1996年11月1日から20年の事業用定期借地契約を行っていたとのことです。
株式会社サンデーサンは株式会社ジョリーパスタへの社名変更を経て、株式会社ゼンショーホールディングスの完全子会社となっています。
土地登記簿によると、2025年6月6日に株式会社ゼンショーホールディングスに売却しています。
URが今も所有権を有している土地

稲城天然温泉 季乃彩
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、温浴施設の立地が決まったのは2006年3月のことで、施設は10月から着工したとのこと。定期借地の契約期間は20年だったとのことです。なお、契約が延長されているか等も含め、現在の契約状況はまったくもって不明です。
向陽台のファミリーマート等
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、事業用定期借地とのこと。
長峰のファミリーマート

ファミリーマート稲城長峰二丁目店がある土地です。
現在もUR都市機構が所有権を有しています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』には事業用借地であることが書かれています。なお、事業用借地となる前には、公団のPR施設があり、そのときもファミリーマートが入居していたそうです。(全然覚えてない)
ケーズデンキ稲城若葉台店

ケーズデンキ稲城若葉台店が立地する土地です。オープンは2007年7月5日だそうです。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有権を有しています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』には事業用借地であることが書かれています。契約期間は書かれていません。
極楽湯多摩センター店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2005年7月に株式会社自然堂(旧社名)に20年の事業用定期借地分譲を行ったとのことです。となると、契約更新したのでしょうか?
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が土地を所有しています。
クロスガーデン多摩

大型商業施設「クロスガーデン多摩」です。2008年4月25日にオープンしました。
スーパーマーケットのfoodiumを核テナントとしています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』発行時点では未開業で、(仮称)落合ショッピングセンターとして、コスモセブンと契約し、事業用定期借地としている旨が書かれています。
土地登記簿によると、現在も土地はUR都市機構が所有しているようです。建物の登記簿によると、建物の所有者はオリックス株式会社のようですが、ウェブサイトのドメイン情報などから、現時点では群馬県の株式会社関東建創が運営しているようです。
DCM唐木田店(旧ケーヨーデイツー)
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、事業用定期借地で1999年11月に立地し、2004年11月に南側に拡張し、現在の形となっています。
なお、かつては株式会社ケーヨーによる「ケーヨーデイツー」として営業していましたが、DCMホールディングスの子会社を経て、DCMに吸収合併し、屋号もDCMに変更されています。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有権を有しています。
ファミリーマート多摩唐木田店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2005年6月に契約しダイワロイヤル株式会社によるコンビニエンスストアとされています。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が土地を所有しているようです。また、建物登記簿によると、2021年10月1日に合併により大和ハウスリアルティマネジメント株式会社が建物の所有権を有しています。
カワチ薬品多摩ニュータウン店→更地化
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2004年2月26日に株式会社カワチ薬品と事業用定期借地で契約していました。
カワチ薬品多摩ニュータウン店は2024年7月31日をもって閉店、テナントの丸亀製麺多摩店は2024年8月25日をもって閉店し、建物等を解体し現在は更地です。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有しているようです。新住宅市街地開発事業の工事完了後、権利部(甲部)の登記はされていませんでしたが、2024年12月12日に所有権保存登記がされています。何か動きがありそうです。
ぐりーんうぉーく多摩
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2004年3月31日に事業用定期借地で契約しています。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有しているようです。
ケーズデンキ多摩ニュータウン店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2005年6月1日に事業用定期借地で契約したとのことです。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有しているようです。
サンキ多摩ニュータウン店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2004年12月10日に株式会社三喜に事業用定期借地で契約しているようです。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有しているようです。
生活クラブ生協 デポー八王子みなみ
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、2003年12月24日に生活クラブ生活協同組合と事業用定期借地で契約しているとのことです。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有しているようです。
ファミリーマート松木公園店
『多摩ニュータウン開発事業誌』によると、事業用定期借地としているようです。
土地登記簿によると、現在もUR都市機構が所有しているようです。
事業誌に事業用定期借地と記載はないが、URが所有権を有している(いた)土地
ここまで『多摩ニュータウン開発事業誌』に事業用定期借地として掲載されている土地について調べてみましたが、事業誌には書かれていない土地についても調べてみました。
ただし、すべての土地の登記簿を取っていると破産してしまうので、私が知っている土地のみです。なお、先述の通り、事業用定期借地は登記義務がないため契約形態について知る方法はほぼなく、どのような契約がされているかは不明です。
コメダ珈琲店 稲城向陽台店
フレスポ若葉台EAST・賃貸住宅
現在も土地所有権はUR都市機構が有しています。
『多摩ニュータウン開発事業誌』には記載がありません。かなり遅くまで空き地で残っていた印象があります。
土地登記簿によると、2006年11月30日から60年間で賃借権が設定されており、何度か賃借権の移転等が行われていますが、2009年に大和ハウス工業が賃借権を売買で取得ののち、2013年8月30日に三井住友信託銀行株式会社に信託しています。
賃借権の存続期間が60年であること、居住に要する用で賃借していること、法22条特約云々が書かれているから、事業用定期借地ではなく一般定期借地なんじゃないかなと思われます。
タマホーム→自然派くらぶ生活協同組合
『多摩ニュータウン開発事業誌』には記載がありません。タマホーム時代にどういう契約だったかは不明ですが、タマホーム時代の土地所有者はUR都市機構です。
土地登記簿によると、2024年2月29日に自然派クラブ生活協同組合に売却していて、現在は同組合が「(仮称)自然派くらぶ生活協同組合配送センター」の新築工事が行われています。
ビッグモーター→ウィーカーズ
2013年6月29日にビッグモーター多摩店としてオープンしましたが、保険金不正請求などの不祥事により伊藤忠商事グループ等に買収され、株式会社WECARSが運営するウィーカーズ多摩店となりました。看板の掛け替えは2024年7月24日でした。
『多摩ニュータウン開発事業誌』には記載がなく(事業誌が記載された時点は未利用地だった)、どのような契約形態かは不明ですが、土地登記簿によると、現在もUR都市機構が土地を所有しているようです。
このほか、若葉台の旧蔦屋書店があった馬車道などがある土地(若葉台4-1)や、ピーシーデポ スマートライフ 多摩ニュータウンBASEがある土地(別所2-37-2)などもUR都市機構が所有権を有しています。
まとめ
UR都市機構が事業用定期借地の処分をどのような方針で行っているかはよくわかりません。
ただ、小泉純一郎政権下の行財政改革でニュータウン開発事業からは撤退し、多摩ニュータウン開発で未利用地となっていた土地についても、ほぼすべて売却等が完了しています。また、9兆円近い有利子負債を抱え、こうした土地の売却等により負債を減らしており、2033年度末には2013年度末比で3兆円以上縮小させる目標を立てるなどしています。
こうしたことから、UR都市機構が地主であり続ける必要性はほぼなくなっており、契約満期となった土地から今後も売却を進めるのではないかなと予想しています。
コメント