稲城市で事業が行われている稲城南山東部土地区画整理事業の進捗状況を見てきました。
造成がかなり進んでいて、来年春には同事業区域内にジャイアンツタウンスタジアムが開業予定です。これにあわせて域内の都市計画道路の大部分が開通する予定のようです。
事業概要
多摩都市計画事業稲城南山東部土地区画整理事業は稲城駅の南側で行われている土地区画整理事業です。
都市計画施設としては、多摩3・4・12号読売ランド線や、多摩4・4・3号奥畑谷戸公園などが整備されます。
この地域は高度成長期などに山砂の採取が行われ、崖地が存在し危険が生じていました。こうした有効利用が図れない土地の相続の問題や、スプロール化による無秩序な開発の懸念などから、地権者を主体とする土地区画整理事業が行われることになりました。
区画整理組合や宅地を販売する野村不動産では、この区域を「スカイテラス南山」として宣伝しています。
事業名 | 多摩都市計画事業稲城南山東部土地区画整理事業 |
施行者 | 南山東部土地区画整理組合 |
組合設立認可 | 2006年4月12日 |
施行期間 | 2006年4月12日~2029年3月31日 |
施行地区 | 稲城市大字東長沼字九号並びに字七号、字八号及び字十号の各一部、同市大字百村字十四号及び字十五号の各一部並びに同市大字矢野口字上網、字大久保及び字谷戸の各一部 |
面積 | 約87.46ha |
合算減歩率 | 68.62% |
2024年3月21日現在 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
進捗等
最近の稲城市議会答弁等によると、域内の都市計画道路の開通予定はこのようになっているようです。
今年の7月に、域内で建設中の「TOKYO GIANTS TOWN」の中核施設となる新球場の名称が「ジャイアンツタウンスタジアム」(略称:Gタウン)に決定し、2025年3月に開業予定であることが発表されました。
なお、水族館や飲食施設を含めたグランドオープンは2027年を予定しています。
稲城市議会によると、開通日等の詳細は依然として公表されていませんが、
・多摩3・4・16号稲城南多摩線(上図の青色)
・多摩3・4・12号読売ランド線(上図の緑色)
は、ジャイアンツタウンスタジアムのオープンにあわせ開通するよう整備をしているほか、
・多摩7・4・5号東長沼矢野口線(上図の赤色)
は、2025年中の交通開放を目指しているとの答弁があります。
写真等
撮影位置はこの通りです。
多摩7・4・5号東長沼矢野口線の工事状況
域内北側を東西に通る多摩7・4・5号東長沼矢野口線は、稲城大橋側からくると現在も南山リハビリテーション病院前にバリケードが設けられています。
ここのところ、ありがた山北側などの造成が進められてきていたこともあり、徐々に道路形態に近づきつつあります。
市議会答弁によると、この道路は2025年中の交通開放を目指しているとのことです。この道路が開通すると、川崎方面から稲城大橋へ行きやすくなります。
下のバックホウがいる付近で、縁石や境石等の街築工が進められているほか、道路南側斜面で擁壁の築造が進められているのがわかります。
公官庁発注の工事だとこれから数年かかりそうな感じですが、ここは土地区画整理組合が整備する工事ですので、ここからの整備スピードはかなり早く進むと思われます。
ここにはもともとありがた山の墓地や、それに続く参道がありましたが、大きく掘削され、参道は分断されました。かつては写真正面左側の赤い屋根の住宅付近に水汲み場や駐車場があり、ここまで斜面が続いていました。
ありがた山への参道は、現在仮の道が整備されています。
多摩7・4・5号東長沼矢野口線は、この部分を両側擁壁で掘割のような構造で通過する模様です。かつてはこの部分に道路をまたぐ橋を建設する計画となっていましたが、いつだかの事業計画変更(たぶん第9回事業計画変更)で、その橋梁計画が抹消されました。
このように、擁壁の築造が進められています。
多摩3・4・12号読売ランド線との接続部の街築工事はいまだ行われていません。
なお、多摩3・4・12号読売ランド線は、東京都施行(稲城市受託)区間で、現在工事が進められています。
多摩3・4・16号稲城南多摩線の工事状況
ヤオコー稲城南山店とジャイアンツタウンスタジアムとを結ぶこの区間の整備は、市議会答弁によると2025年3月のジャイアンツタウンスタジアムの開業に合わせて開通するよう整備が進められています。
かつては正面に山がありましたが、徐々に土砂の掘削が進められ、現在は道路面まで掘削が完了し、街築工事が進められています。
ジャイアンツタウンスタジアム側は、現在直角カーブとなっているこの部分に接続する計画です。
こちらも縁石や街渠、境石、植樹桝といった街築工が進められているのがわかります。路盤も入れられていることから、残りの工事もわずかといったところです。
旧よみうりランド丘の湯前
2021年9月27日に旧ランド坂の大部分を廃止する第1次切替え、2024年1月29日にヘアピンカーブ部分を廃止する第2次切替えが行われた多摩3・4・12号読売ランド線は、現在、旧よみうりランド丘の湯北側で、本来の都市計画道路線形への本整備が進められています。
市議会答弁によると、こちらも2025年3月のジャイアンツタウンスタジアム開業に合わせて整備が行われているようです。
現在は、この場所のさらなる盛り土に合わせて道路整備が進められている状況です。
域内の土量の調整から段階的に整備がされているのではないかと思われます。
もともと、よみうりランド慶友病院方面の道路は付け替える計画はなく、西側街路と互い違いになる計画でしたが、この計画変更で新たに街路が追加され、十字路になる計画となりました。合わせて隅切りの追加などがされています。
安全性の観点から互い違いの交差点は望ましくありませんが、この辺一帯よみうり系列が土地を持っているので、よみうりの何かしらの意向がありそうな感じもします。
旧ランド坂ヘアピンカーブ部分の工事状況
2024年1月29日の道路切替え以降廃止となったヘアピンカーブの道路ですが、アスファルトがはがされ、この部分の造成工事が進められています。
すでにかなり盛り土がされていて、現在もさらなる盛土工が進められている状況です。おそらく正面の山を崩してこの部分を埋めるものと思われます。
擁壁とかってそのまま埋め殺しているんですかね。ミズミチにならないんでしょうか。
多摩7・5・7号南山街路2号線の工事状況
学校給食センターとジャイアンツタウンスタジアムを結ぶ多摩7・5・7号南山街路2号線も、すでに街築工や照明設置工が行われ、残すところは舗装程度となっています。
この道路の開通時期は不明ですが、先に開通させると抜け道利用が発生しそうですから、他の道路に合わせるのではないかなと想像しています。
この道路はもともと都市計画道路ではなく、後追いで都市計画決定されたものですが、途中カクッと曲がるカーブがあったりと、線形がどうも好きになれません。危ないです。
ジャイアンツタウンスタジアムの工事状況
ジャイアンツタウンスタジアムは、すでにボールネットなどが張られ、現在はスタンドとみられる部分の工事が行われています。
ファールポールの設置も見えます。
読売巨人軍公式サイトのイメージを見る限り、この左側に水族館を整備するのではないかと思われます。
稲城市の年間発注予定によると、「南山東部地区根方谷戸公園階段照明工事」が含まれており、京王よみうりランド駅との動線にある公園への照明設置をするものと思われます。(写真右側に公園整備中)
南山小学校前の工事状況
南山小学校北側では、土砂の掘削などが進められています。現在最も造成工事がされている箇所と見られます。
ヤオコー南側の状況
ヤオコー稲城南山店南側の街区は、これまでバリケードがされて通行できませんでしたが、大部分が開放されました。この街区は大部分が戸建てあるいはアパート等の低層住宅用地となるようで、すでに一部で住宅販売がされています。
なお、住宅建設中の一部道路で通行止め看板があるものの、別の道路を通って裏に回るとそれがなかったりと、かなりガバガバでした。
稲城南山地区では、これまで野村不動産による「プラウドシーズン稲城南山」が多く分譲されてきました。この街区も同不動産による建売が一部されているようですが、それ以外の不動産会社による保留地分譲がされている模様です。
撮影日:2024年9月16日、21日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
レポートありがとうございました。
ようやくここが煮え切れた場所になりそうですね
昨年まではヘアピンカーブで進みにくい上に南山街路2号線は盛り土で
先が全く見えなかったのが今年になって急激に工事が進み道路が直進になり
盛り土もほぼ取り払われて道路造成が分かるようになってきました
南山街路2号線は混雑するスーパーの前を迂回するので、コッチが早くできて欲しいのですが…
南山街路2号線ではなく多摩3・4・16号稲城南多摩線のことでしょうか。
開通に当たっては信号機の設置が必要ですが、いまのところ入札されていないようです。(警察ではなく土地区画整理組合が設置するのであれば入札は公表されませんが)
昨日、ヤオコー前の信号機設備工事してましたよ。
情報ありがとうございます。