横浜市西区みなとみらいで整備が行われていた高島水際線デッキが2025年3月27日10時頃に供用開始される予定です。


高島水際線デッキは、2023年9月29日に開業したKアリーナ横浜から、JR高島線(通称)を跨ぎ、みなとみらい大通りとを繋ぐ歩行者専用のデッキです。横浜市が事業主体として整備されました。
当初はKアリーナ横浜の開業に合わせた開通を目指していましたが、地盤対策に伴う工法の変更で2024年6月に延期しました。しかし、設計ミスによる不具合が見つかり、予定日の前日となる2024年5月31日になって供用開始の延期が発表されました。
デッキの設計は、2019年度に「みなとみらい21中央地区高島水際線デッキ予備設計業務委託」、2020年度に「みなとみらい21中央地区(仮称)高島水際線デッキ実施設計業務委託」がそれぞれJR東日本コンサルタンツに随意契約され、設計されています。
鉄道が絡む工事や設計の場合、鉄道運行の安全性や施工計画に精通した事業者が業務を行う必要があります。このことから、鉄道事業者や自治体による考え方に多少の違いはありますが、協定等を締結し業務そのものを鉄道事業者に委託する場合(自治体→(委託)→鉄道事業→(発注)→設計・施工業者)や、業務に精通した業者と随意契約をする場合(自治体→(随意契約)→設計・施工業者)があります。今回の設計委託については後者と見られます。
工事は、鉄道と競合しない部分については一部を除き一般競争入札で発注されています。
横浜市発注の工事(入札情報より) | |||
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契約日 | 工事名称 | 受注者 | 入札・契約方式 |
2021/9/30 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その1)(下部工) | 土支田建設株式会社 | 一般競争入札 |
2021/11/18 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その2)(仮設工台設置工) | 東洋・たにもと建設共同企業体 | 一般競争入札 |
2021/8/24 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その3)(製作・下部架設) | エム・エムブリッジ株式会社 | 一般競争入札 |
2022/9/16 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その4)(輸送・付属物製作工) | エム・エムブリッジ株式会社 | 随意契約 |
2022/7/29 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その5)(仮設構台設置工) | 東洋・たにもと建設共同企業体 | 随意契約 |
2022/11/1 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その6)(下部工) | 土支田建設株式会社 | 随意契約 |
2023/10/18 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その7)(構成排水溝・高欄) | JFEテクノス株式会社 | 一般競争入札 |
2023/10/20 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その8)(仮設構台撤去工事) | 日栄・大栄建設共同企業体 | 一般競争入札 |
(仮称)高島水際線デッキ整備工事(その9)(スロープ設置準備工) | 不調 | 一般競争入札 | |
2024/2/26 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その10)(橋面工) | 浜崎建設工業株式会社 | 一般競争入札 |
2024/2/16 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その11)(電気設備工事) | 株式会社アイキン電機興業 | 一般競争入札 |
2024/1/31 | (仮称)高島水際線デッキ整備工事(その12)(スロープ設置準備工) | 株式会社丸舗建設 | 一般競争入札 |
鉄道と競合する桁の架設はJR東日本に委託され、JR東日本が鹿島建設株式会社に発注し施工されました(東高島・桜木町間(仮称)水際線デッキ新設その他工事)。
また、Kアリーナ横浜側のA2橋台は、Kアリーナ横浜の施工者である鹿島建設株式会社が施工しました。(市資料によると街区開発者が3.8億円負担しており、その内訳は不明だがこの橋台分ではないかと思われる)

もともとのA2橋台は、RC橋台で、写真真ん中の丸い躯体から上部分でTの字のように梁が伸びる形でした。写真左側にはエレベータ棟に伸びる踊り場部分があり、その部分の梁にひび割れが生じた模様です。
対策工事では、梁を下から支える柱を新設したようで、このほか躯体上部梁部分にも対策がされているように見えます。
対策工事に伴い、2024年9月から隣接エレベータも使用中止になっています。
市の報道発表によると、3月27日10時から供用開始予定ですが、イベントがない平日には工事により封鎖することがあるとのことです。
撮影日:2025年3月16日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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