練馬区で事業が行われている放射第35号線(早宮・北町)のうち、環八通りをくぐるアンダーパスの平和台トンネルが、2024年2月24に16時に交通開放されました。
自動車専用のアンダーパスということもあって見物人は少なかったです。
事業概要
放射第35号線は豊島区豊玉町三丁目から埼玉県境に至る延長約8460mの都市計画道路です。放射第36号線は豊島区要町一丁目から練馬区平和台三丁目に至る延長約4270mの都市計画道路です。
このうち上記で赤色で示した区間で事業が行われています。現在の要町通りを延伸し、新大宮バイパスに接続する計画です。
施行者は東京都で、都道として整備されます。なお、事業認可が図の通り異なります。
2004年(平成16年)12月28日に事業認可された区間は、延長約1,330mで、放射第35号線(早宮・北町)と呼ばれています。環八通りとはアンダーパスで立体交差します。
2011年(平成23年)12月1日に事業認可された区間は、延長約1,970mで、放射35・36号線(小茂根・早宮)と呼ばれています。
放射第35号線(早宮・北町) | |
施行者 | 東京都 |
延長 | 約1,330m |
代表幅員 | 40m |
事業施行期間 | 2004年12月28日~2031年3月31日 |
一部暫定開通 | 環八通り~川越街道間(2020年3月30日15時) |
一部暫定開通 | 平和台トンネル(2024年2月24日16時予定) |
2024年3月14日現在 |
放射第35号及び35号(小茂根・早宮) | |
施行者 | 東京都 |
延長 | 約1,970m |
代表幅員 | 40~50m |
事業施行期間 | 2011年12月1日~2031年3月31日 |
2024年3月15日現在 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
開通時の様子
現地には1時間ほど前からいましたが、既にカラーコーンなどを撤去すればよい状態となっており、東京都関係者のほか、街築工事施工者の株式会社関谷舗道の関係者が待機しているような状況でした。
当日午前中には、さいたま側出入口付近で関係者による開通式典が行われていたようです。
開通30分ほど前にパトカーが到着し待機を始めていました。5分ほど前にカラーコーンを撤去し、16時ちょうどに警察車両と道路管理者車両の先導で両側から開通となりました。
氷川台側からは白バイ・軽パト・黄色の道路管理車両・施工関係者と思われる黒塗り自動車が、さいたま側からは軽パト・黒の道路管理車両・(セレナもそうか?)が先導にあたりました。速度は通常の速度で、極端な低速走行ではありませんでした。
自動車専用のアンダーパスなのでいい撮影位置がなく、アンダーパス出口部分を正面で待ち構える外ありませんでした。(スバルが少し早く来てたら被ってたな)
開通区間の様子
トンネル内部は自動車専用のため、開通後の様子は動画でご覧ください。
開通直後は上り線側がヨークマート前交差点を先頭に詰まっており、通過に12分程度要しました。上り線も動画を撮っていますが、とても退屈な動画になっているので、公開は下り線のみとします。
その渋滞は右折レーンがないことによるつまりが原因のように見えました。右折レーンがないのはもとからです。ただ、開通直後は渋滞が発生しやすく、今回の渋滞も今後は解消あるいは軽減していくのではないかと思います。
なお、開通に先立ち2月18日にトンネル内部を歩いて見学できる開通プレイベントが開かれていました。内部の詳しい様子はそのときの記事をご覧ください。
今回開通したのは、放射第35号線と環八通りが交差する平和台駅前交差点の本線アンダーパス部です。放射第35号線が環八通りをくぐる構造になっています。
アンダーパスが本線となったことにより、環八通りへは側道を進んで行く必要があります。
放射第35号線の環八通り付近~川越街道間は、2020年3月30日15時に交通開放されており、アンダーパス部はこの後も工事が続けられてきました。アンダーパス部を含めこの区間は4車線で計画されていますが、引き続き暫定2車線での供用となっています。
周辺では、引き続き「街路築造工事(3四-早宮)」が、2024年9月上旬までの予定で株式会社関谷舗道が施工中です。
この工事によりアンダーパス部の舗装等の施工もされました。
今後はアンダーパス上部の街築を進めていくものと思われます。
今回の工事で、アンダーパス部のほか、地上部道路の整備も行われています。
下り線地上部では、歩道を広げるとともに車道のレーンを増やす工事が行われました。2月18日時点では2レーンだったこの場所も、左折と直進が分離され3レーン体制となりました。
歩道部は現在も工事中で、実際に広がるにはもう暫くかかりそうです。
放射第35号線・第36号線その他の区間の様子
あわせて事業中のその他の区間を見てきたので掲載します。
撮影位置はこの通りです。
この先が事業区間です。
東京都のサイトによると、2023年4月1日時点の放射第35号及び36号(小茂根・早宮)の用地取得率は74%、放射第35号線(早宮・北町)の用地取得率は99%とのことです。
環七通り~氷川台駅間では現在は工事は行われていない模様です。(部分的に施工していたが占用工事と思われる)
用地取得は続いていて、この区間の未取得地も数える程度になってきました。
石神井川と交差する部分で行われていた橋梁工事は、下部工、桁製作・架設工ともに完了していました。
下部工は「石神井川放射第36号線橋梁(仮称)(2)下部建設工事」で行われ、飛島建設株式会社が施工しました。
上部桁製作・架設は、工事件名「氷川台橋鋼けた製作・架設工事(3四-放36小茂根・早宮)」で株式会社北都鉄工が施工しました。
舗装などは施工されておらず、桁を架設したのみとなっています。
周辺道路は引き続き迂回の措置が取られています。
氷川台駅前は用地の取得が遅れているエリアです。
なお、左側の氷川台駅第一自転車駐車場は2023年11月30日をもって閉鎖されました。
氷川台駅~平和台駅間は、用地の取得が進んでいるものの、未了箇所も散見されます。
この間の工事も行われていない状況です。
この先が今回開通した平和台トンネルの区間です。
既に暫定開放されている北町西小学校北交差点付近では、横断歩道橋の設置が計画されています。
北町西小学校北交差点は、2019年の街築工事時点では放射第35号線を跨ぐ方向のみの横断信号設置となっていた交差点でしたが、2020年3月の暫定開通前に信号機の増設がされる設計変更がされた交差点でもあります。
練馬区議会録を見ると、交差点名称までは名指ししていないものの、「地域の皆様や小学校の保護者の方々から、信号機の増設など交通安全対策について要望があり」、「信号機の増設については、交通管理者との協議が整い、今後設置工事を行う」として2020年の暫定開放にこぎ着けた模様で、おそらくこの交差点のことを言っていると見られます。
横断歩道橋の設置が計画されているのは北町西小学校北交差点の北側です。
横断歩道橋の工事は、
横断歩道橋基礎工事(4四-放35北町) 不調
横断歩道橋基礎工事(4四-放35北町)その2 不調
横断歩道橋基礎工事(4四-放35北町)その3 不調
と、不調を繰り返し、2023年度になってようやく決まりました。
工事件名は「横断歩道橋基礎工事(5四-放35北町)」で、2024年1月下旬までの予定で、双栄基礎工業株式会社が施工しました。アスファルトが変わっている部分が施工箇所です。
なお、横断歩道橋本体の工事は「横断歩道橋設置工事(5四-放35北町)」で、株式会社エフォートが施工する予定です。
横断歩道橋にはエレベータも設置される予定で、
横断歩道橋エレベータ棟建設工事(5四-放35北町) 不調
横断歩道橋エレベータ棟建設工事(5四-放35北町)その2 不調
と、こちらも不調を繰り返しています。
撮影日:2024年2月24日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
コメント
Googleアプリのオススメから来ました。多数の写真やトンネル内の動画があり「平和台トンネル 暫定開通」関連のオススメで一番わかりやすい記事でした。ありがとうございます。