朝霞市及び志木市で事業が行われている国道254号和光富士見バイパス(Ⅱ期)のうち、未開通である県道朝霞蕨線79~県道さいたま東村山線40間の様子を見て来ました。
志木市下宗岡付近では、地盤沈下対策工事が進められています。

事業概要
国道254号和光富士見バイパスは、和光市新倉六丁目の国道294号松ノ木島交差点から富士見市大字下南畑字乗越の国道463号下南畑交差点からに至る延長約6,850mの道路です。
このうち、上記図に示す、県道79号朝霞蕨線新盛橋東交差点から県道40号さいたま東村山線中宗岡4丁目交差点に至る約2.9kmの区間では、道路を新設する事業が行われています。
施工者は埼玉県で、平面4車線の道路となる計画です。
なお、都市計画道路の名称は、朝霞3・2・10号志木和光線、志木3・1・7号志木朝霞線です。
この事業区域のうち、上記図斜線で示した範囲では、2024年7月18日に土地収用法第26条第1項の規定に基づく事業認定がありました(一部手続き保留)。また、この際、手続きが保留された土地の一部では、2025年8月1日に土地収用法第34条の3の規定に基づく手続き開始の告示がありました。
基本データ
| 施行者 | 埼玉県 |
| 延長 | 約4,070m |
| 幅員 | 36.0~42.0m(標準) |
| 車線数 | 4 |
| 道路規格 | 第4種第1級 |
| 設計速度 | 60km/h |
| 2025年11月11日時点 | |
| 土地収用法に基づく事業認定 | |
| 事業名 | 一般国道254号改築工事(和光富士見バイパス・埼玉県朝霞市大字上内間木字川袋地内から同市大字上内間木字厩尻地内まで、同市大字宮戸字北井房地内及び志木市下宗岡二丁目地内) |
| 起業者 | 埼玉県 |
| 事業認定 | 2024年7月18日 |
| 補足 | 事業認定の告示の時点で手続きが保留された土地以外の土地は、埼玉県朝霞市大字上内間字川袋及び大字浜崎字新河岸川通。 事業認定時において手続きが保留された土地のうち、埼玉県朝霞市大字上内間木字八釼及び字厩尻並びに大字宮戸字北井房地内については、2025年8月1日に手続き開始。 |
| 2025年11月11日時点 | |
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タグ:国道254号和光富士見バイパス(県道朝霞蕨線~県道さいたま東村山線)
進捗状況

撮影位置はこの通りです。(周辺のGoogleマップ)

和光富士見バイパスのうち、現在未開通なのは新盛橋東交差点から中宗岡4丁目交差点までの約2.9kmです。
この交差点は南端側の新盛橋東交差点で、県道79号朝霞蕨線と接続する丁字路となっています。
この南側(和光市側)は、2010年に交通開放されています。

現在も用地の取得が進められています。
埼玉県のウェブサイトによると、2023年7月末時点で、用地取得率は朝霞市内約1,500mの区間が約92%、志木市約2,570mの区間(既開通区間含む)が約99%とのことです。
この付近では、近年は工事らしい工事は行われていませんが、2025年1月24日には、「(ゼロ債務)4237道路改築工事(樹木伐採工その4)」の入札が行われ、五島工業株式会社が落札しています。
発注図書を見る限り、道路予定地の雑木の伐採・処分が主な工事で、用地管理工事的な意味合いが強いものです。工事費も1000万円程度と少額です。
また、ゼロ債務であることから実際の作業は2025年度に入ってから施工したのではないかと思われます。

この先、宗岡第二中学校付近までの区間は、市街化調整区域で、土地の区画も入り組んだ混沌とした場所を進んでいきます。周辺の土地利用は、作業場や置場、合材工場、倉庫、空き地などです。
道路は写真②の付近を正面に進み、この先でJR武蔵野線の高架をくぐる計画です。当初は武蔵野線の高架を越える計画でしたが、2023年10月6日告示をもって都市計画変更されました。
JR武蔵野線の高架はくぐることを想定していないのか、各車線が各径間の間をすり抜けるような形となるようです。(4車線と2つの歩道がそれぞれ別々の柱の間を抜ける感じ)
なおこの付近では、2024年1月26日に「(ゼロ債務)3217道路改築工事(樹木伐採工その2)」の入札が行われ、株式会社伊東土木が落札しました。この見える範囲の伐採等が行われたようです。
和光富士見バイパスは、都市計画道路として都市計画決定されていますが、都市計画事業の認可を得て行っている事業ではありません。したがって、土地収用法は適用されず、任意の交渉により用地の取得を進めて来ました。
今回、土地収用法に基づく事業認定が行われたことで、土地収用法の規定が適用され、収用手続きを行うことが可能となりました。
2024年7月18日の認定の時点では、起業地のうち一部の土地については手続きが保留されていましたが、2025年8月1日に土地収用法第34条の3の規定に基づく手続き開始の告示がされています。(まだ一部土地は保留中と思われる)
注釈・補足
・都市計画事業として認可を得ると、都市計画法第69条の規定により、土地収用法の規定が適用されます。
・勘違いされがちですが、土地収用法に基づく事業認定が行われたからといって、ただちに代執行などが行われるわけではありません。収用裁決手続きを経て、収用委員会により明渡裁決が行われたあとも土地の引渡しがない場合に代執行手続きが執られることがあります。
・用地の取得は原則として任意交渉で行われており、埼玉県の資料によると、土地収用法の事業認定を取得後も任意交渉での取得に努めるとしています。(どこの自治体もだいたい同じです)

和光富士見バイパスはこの付近を横切る計画です。
2024年1月26日に「(ゼロ債務)3217道路改築工事(樹木伐採工その1)」の入札が行われ、中田造園株式会社が落札しました。この左側、JR武蔵野線北側の伐採等を行った模様です。
また、2025年1月25日には「(ゼロ債務)4236道路改築工事(樹木伐採工その3)」の入札が行われ、株式会社有山造園が落札しました。この右側の伐採等を行った模様です。
また、2025年10月10日には、「総地加)5210道路改築事業工事(搬入路整備工その3)」の入札が行われ、紀和建設工業株式会社が落札しました。JR武蔵野線交差部付近に至る搬入路(工事用道路)を整備する模様です。見る限り現場未着手です。

土地収用法の事業認定があった土地周辺には、土地収用法施行規則に基づく周知のための看板が設置されています。
また、同規則に基づき、起業者である埼玉県のウェブサイトにも掲載されています。

宗岡第2中学校交差点北側には、将来の道路形態をそのままのスケールで表現した「モデル整備地区」が整備されています。
現地看板によると、「具体的なイメージを持っていただき、道路整備への一層のご理解をいただくため」整備したものです。現在は車の通行は一部を除き出来ません。

モデル整備地区北側では、下記に示す工事が行われています。
設計図書によると、プレファブリケイティッドバーチカルドレーン工(PVD)、路体盛土工、路盤工を行うものです。いずれも軟弱地盤の対策工事として一般的な工法です。
※ただし埼玉県の説明資料(これとかこれとか)と、設計図書では、施工内容に不整合が見られます。設計変更が行われている可能性がありますのでご注意ください。
軟弱地盤では、対策を行わなかった場合、自動車や構造物の荷重により地盤沈下を起こします。
この対策として、あらかじめ自動車等に相当する盛土をして沈下を引き起こしてから道路を整備する、事前載荷工法(プレローディング工法)があります。
しかしこの工法では沈下が起きるまで時間がかかりすぎます。
そのため、バーチカルドレーンという排水材を地盤に打設して圧密排水を促進することで、沈下を早く行うバーチカルドレーン工法が同時に行われることが多いです。
プレファブリケイティッドバーチカルドレーンは、予め(pre)工場製作された(fabricated)バーチカルドレーン材のことです。

ヤオコー志木宗岡店の付近には、一部用地未取得の土地があるように見えます。一部土地には墓地があるように見えました。(ヤオコーは道路予定地外です)
この先の区間でも、先ほどとは別の下記地盤沈下対策工事が行われています。
設計図書によると、掘削工、プレファブリケイティッドバーチカルドレーン工、中層混合処理工、深層混合処理工などを行う模様です。
※ただし埼玉県の説明資料(これとかこれとか)と、設計図書では、施工内容に不整合が見られます。設計変更が行われている可能性がありますのでご注意ください。
今回の工事では路体盛土を行う設計にはなっていないようです。
工事に伴い、一時的な通行止めが生じる模様です。

ドラッグストアセキ付近では、志木市発注の水道工事の看板が出ていました。
写真⑧付近は、2024年度発注の「総地加)3232道路改築事業工事(搬入路整備工その1) 」(施工=紀和建設工業株式会社で整地がされたようです。
また、「5202道路改築事業工事(地盤沈下対策工その1)」が施工される模様です。施工者は株式会社伊東土木です。設計図書によるとプレファブリケイティッドバーチカルドレーン工、中層混合処理工、深層混合処理工などを行う模様です。※ただし埼玉県の説明資料(これとかこれとか)と、設計図書では、施工内容に不整合が見られます。設計変更が行われている可能性がありますのでご注意ください。
工事に伴い、11月10日から一部道路が通行止めとなる旨を知らせる看板も掲出されていました。

未開通区間北端の中宗岡4丁目交差点です。県道さいたま東村山線40と交差します。

中宗岡4丁目交差点から北側、下南畑交差点に至る約1.4kmの区間は、2023年7月29日に交通開放されました。
現在は暫定3車線開放となっています。
撮影日:2025年11月8日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。










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