あきる野市で事業が行われていた都道あきる野羽村線のうち、五日市街道~永田橋通り間の約1.2kmが、2025年10月29日14時に交通開放されました。
途中の草花大橋は、2013年に竣工後も歩行者以外の通行を禁止した状態が長く続いていましたが、ようやく車両も含め開通となりました。
当日は、白バイと東京都建設局の車両の先導のもと、一般車両が続きました。平日日中ということもあり、しっとりとした開通でした。

事業概要
東京都道250号あきる野羽村線は、あきる野市を起点とし、羽村市を終点とする延長約2217m(H26)の東京都道です。
このうち、上記に示した五日市街道~永田橋通り間では、道路を新設・拡幅、橋梁を整備する事業が行われています。
2025年9月26日追記
2025年10月29日14時に交通開放される予定です。(東京都報道発表)
基本データ
| 施行者 | 東京都 | |
| 延長 | 平沢・二宮地区 | 約400m |
| 高瀬地区 | 約760m | |
| 2023年4月8日現在 ※西多摩建設事務所事業概要による | ||
最近の発注状況
| 工事 | ||
|---|---|---|
| 発注年度 | 工事名称 | 受注者 |
| ※これ以前は情報収集していません | ||
| 2023年度 | 道路改修工事(西-高瀬の5)及び街路築造工事(5西-秋多3・4・6) | 株式会社エージーテクノス |
| 2024年度 | 道路改修工事(西-高瀬の6) | 不調 |
| 2024年度 | 道路改修工事(西-高瀬の6)(その2) | ライチ株式会社 |
| 委託 | ||
|---|---|---|
| 発注年度 | 委託名称 | 受注者 |
| ※これ以前は情報収集していません | ||
| 2023年度 | 路床土調査(高瀬地区外1箇所) | 株式会社京北地盤コンサルタント |
| 2023年度 | 交通量調査委託(高瀬・平沢・二宮地区) | 株式会社エスピー研 |
| 2023年度 | 道路詳細修正設計及び電線共同溝詳細修正設計(高瀬地区) | 株式会社復建技術コンサルタント |
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開通時の様子
当日までに、開通前の車道を封鎖する器具はカラーコーンなどの移動が簡易なものに置き換えられていました。
午前中に通りかかったところ、仮区画線等の微調整などを行っており、正午前後には信号機のカバーを外す作業などがおこなわれていました。
都道の開通では、開通式典を行ったり行わなかったりマチマチですが、今回は事前の報道発表で式典の有無は触れられていませんでした。現地を見る限り、現地で式典を行ったような雰囲気はありませんでした。別途会場を設けられていた場合かは不明です(雰囲気的にやってない気がする)。

開通10分前にカラーコーンなどが撤去されました。
そして、14時ちょうどに両側から白バイと東京都建設局車両の先導のもと交通開放となりました。先導は、既に通行ができた区間を除いた、新規に車両通行可能となった区間のみでした。

草花大橋の上で白バイが離合するように調整が図られていたようで、現地には目印も設置してありました。(かといって、特段何かあったわけではない)
平日の日中ということもあり、沿道の見物人はわずかでした。
開通区間の概要
開通区間の概要

今回開通したのは、一般都道250号あきる野羽村線のうち、五日市街道7~永田橋通り165間の約1.2kmの区間です。(東京都の報道発表による)
なお、一部区間は既に開通済みであったほか、車道幅を狭めた上で通行が可能だった区間があります。新しく車両の通行が可能となったのは、草花大橋を含む約390mの区間です。
歩行者は、この日以前も全線で通り抜けることが可能でした。
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橋の完成から12年

開通区間の中央付近で、平井川や農地を横断する草花大橋が整備されています。
全国道路施設点検データベースによると、橋長は199mで、2013年度に架設されました。したがって、橋の完成から12年が経過して全面開通したことになります。
このように、橋の完成後10年以上交通開放がされなかった理由について、公式に発表している資料は見たことはありません。
氷沢橋交差点南側約100mの区間で用地の取得が遅れ、幅員5mと非常に狭い区間が残っていたため、安全性を考慮して開通延期をしていたのだと、個人的に推測しています。
この道路は都市計画道路に沿って整備が行われていますが、都市計画法第62条の事業認可は取っておらず、土地収用法は適用されません。また、土地収用法に基づく事業認定も取得していないため、任意での土地取得交渉が行われたものと推測されます。
登記簿によると、2022年ごろに大部分の用地を買収し、その後立て続けにこの部分の整備工事が続けられてきました。(過去記事参照)
今回、この区間の整備が暫定形ながら完了したことから、開通に漕ぎつけられたものと見られます。
現地に設置された信号機のうち、3箇所の信号機は、2013年ごろに設置後、使用されないまま放置されていた信号機です。
信号機の銘板を見ると、2012年または2013年製造の文字が見えます。
信号機設置時点で交通開放の意思があったのかどうか定かではありませんが、今回ようやく稼働を開始することとなりました。
東京都のことなので、使っていない信号機も開通に合わせて交換するのかなと思いましたが、さすがにそんな無駄なことはしなかったようです。
開通区間の詳細

区間ごとに様子が異なるため、区間を分けて記載します。
A:五日市街道~1本目の交差点

この区間は、2010年前後頃に先行して交通開放されていた区間です。
周辺は市街化調整区域のため農地しかなく、中途半端な開通区間だったため、もっぱら路上駐車スポットと化していました。交通量は僅少でしたが路面はざらついて劣化していたため、開通の前に切削オーバーレイにより路面補修が行われています。
また、植栽も高木を中心に植え直しされるなど、部分的な補修も行われました。

接続する五日市街道は、別途事業の歩道設置工事により、2024年3月頃に幅員15mに拡幅が完了しました。
その工事時点ではゼブラゾーンとなって右折レーンは設置されませんでしたが、今回工事でゼブラゾーンが消去され、右折レーンが新設されました。
信号機に右折矢印や時差式は設置されませんでしたが、今日見る限りでは目立った滞留は見られませんでした。

両側に自転車レーンが設置され、水色系の塗装がされています。
雨天続きで施工の調整がつかなかったのか、「自転車専用」の文字は仮区画線で対応されていました。当日午前中に頑張って貼っていました。
B:1本目の交差点~草花大橋南詰

この区間は2013年頃の段階で道路は整備済みでしたが、歩道を除いて未開通の状態が続いていた区間です。管理もほとんど行き届いてなかったようで、雑草は伸び切り、路面に土砂が堆積するなど劣悪な状態が続いていました。
開通にあたり、車道の路面補修が行われたほか、植栽は全部植え直されています。

草花大橋南詰の信号機は、2013年頃に設置されていたもので、今回ようやく稼働となりました。
夜間押しボタン式の横断用で、日中は歩行者がいなくても自動で切り替わります。
十字路ですが、従道路側に車両用信号機は設置されておらず、従道路側は一時停止が必要となりました。(一時停止標識と、開通後には一時停止が必要となる旨警告する看板あり)
しかしながら、開通から約1時間後、この交差点で衝突事故があり、エアバッグが膨れ、車前面が大きく凹んでいました。このほかにも、一時停止を見落とす車が何台かいて、危険な状態でした。
C:草花大橋

草花大橋は平井川などを跨ぎます。ほぼ直線の2車線で、北側に向かって下り勾配となっていて、下り坂側には赤色の薄層カラー舗装がされています。
この橋面舗装も、前回工事で全体的に補修がされています。
銘板には「くさばなおおはし」と濁る形で記載がありました。近隣の草花小学校は、URLを見る限り「くさはな」と濁らないようで、見に来ていた児童や生徒も「くさはな」と発音していました。
D:草花大橋北詰~いずみ通り間

草花大橋から北側の区間は、車道と歩道どちらもほぼ完成していましたが、これまでは車道を半分塞いだ状態での暫定開放が続いていた区間です。専ら沿道アクセスのために供されていた状態でした。
今回それらを塞いでいた単管バリケードや置きガードレールは撤去され、全面開通となりました。
公民館通りと交わる信号機も10年以上の時を経て、ようやく稼働開始となりました。夜間押しボタン式です。

この区間は電線共同溝が整備され、無電柱化が図られています。
A区間とは異なり、植栽などの植え直しはほとんど行われていないように見えました。

いずみ通りとの交差点は、都道側が直進となるよう交差点改良がされました。いずみ通り側は一時停止が必要です。
この部分には横断用の信号機が新設されました。この信号機は新品です。終日押しボタン式です。
E:いずみ通り~氷沢橋交差点間

この区間は用地の取得が遅れていた区間で、今回工事で拡幅が完了しています。
電線共同溝や植樹帯などの整備は見送られており、今後整備するものと思われます。

現在も、未取得と見られる用地が数筆残っており、車道と歩道を狭めた暫定形で整備されています。

氷沢橋交差点付近も一部未取得地があると見られ、交差する永田橋通りも拡幅が未了の状態が続いています。
氷沢橋交差点には右折矢印信号は設置されませんでした。
開通以前から、羽村大橋側から来た右折車両の滞留が目立つ交差点だったため、これが悪化するのか、逆に改善するのかは、しばらく様子見でしょうか。
走行動画
撮影日:2025年10月29日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
















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