町田市図師町に「几号水準点」なるものがあると聞き見に行きました。几号は「きごう」と読みます。
几号水準点があるのは町田市図師町の熊野神社。けっして大きな神社ではなく、町に馴染んだ神社です。
芝溝街道から北へ道を入って数十メートル。谷戸の山際にあります。
神社にお参りして、本殿を見て左側の常夜燈にそれがあります。
常夜燈の下部に「不」と刻まれた文字がある。これが几号水準点です。
几号水準点というのは明治初期に内務省が地図作りに用いた水準測量の基準点らしい。明治後期には現在のような石標の水準測量に移行したらしい。詳しくは几号水準点で検索してほしいです。
明治期の技術的な遺産らしいが、あまり知られてないそうです。
地形図を見ると、図師町に実際に水準点があることは明記されていますが、これは熊野神社の几号水準点ではありません。
上記地図の左側の鳥居が熊野神社。熊野神社から見て東側のお寺の前に水準点があります。
圓福寺の入口
道路にゴルフの穴程度の穴が開いていて、金属製の水準点があります。点の記にも記載されています。
ただ、熊野神社の几号水準点、この水準点ともに、近くに他の点がない。大抵は現在も使われている水準点は国道沿いに連続であったりするのだが、ここだけ飛んだようにある。それは謎です。
現在ではGPSを使うようになった地図作りも、このような形で技術遺産が残っているのは興味深いです。
2020年4月22日追記
この几号水準点ですが、地形図には記載されておらず、彫り込みも他の几号水準点と比べると異なっているため、本物かどうか疑問に残ります。
撮影日:2016年3月4日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。
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