藤沢市及び鎌倉市で事業が行われている村岡・深沢地区土地区画整理事業と、その事業の村岡工区及び深沢工区を結ぶシンボル道路「藤沢3・4・23号村岡新駅南口通り線」及び「鎌倉3・4・5号深沢村岡線」の進捗状況を見てきました。
シンボル道路は2023年10月23日に、土地区画整理事業は2023年10月30日にそれぞれ事業認可されています。
まちづくりの計画段階である2021年3月に訪問済みですが、事業認可されて改めて訪問しました。
事業概要
土地区画整理事業
藤沢都市計画事業及び鎌倉都市計画事業村岡・深沢地区土地区画整理事業は、藤沢市及び鎌倉市で事業が行われている土地区画整理事業です。藤沢市の村岡工区および鎌倉市の旧JR車両工場跡地の村岡工区で事業が行われています。
施行面積は約38haで、施行者は独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)です。
なお、村岡工区及び深沢工区を結ぶ都市計画道路は、藤沢市及び鎌倉市が別途事業を行っています。
施行者 | 独立行政法人都市再生機構 |
事業施行期間 | 2023年10月30日~2039年3月31日 |
施行地区 | 神奈川県藤沢市村岡東一丁目,村岡東二丁目,弥勒寺字後河内並びに宮前字後河内及び字裏河内の各一部,鎌倉市上町屋字山ノ根,寺分字藤塚,字陣出,字上陣出,字堅畑,字川向及び字木ノ下,梶原字古川,字八町面,字外耕地,字内耕地及び字宮里,梶原一丁目並びに常盤字下耕地の各一部 |
施行規定及び事業計画の認可の年月日 | 2023年10月30日(国土交通省告示第1068号) |
2023年10月23日時点 |
道路事業
藤沢3・4・23号村岡新駅南口通り線は、藤沢市弥勒寺字後河内から藤沢市宮前に至る延長約310mの都市計画道路です。
鎌倉3・4・5号深沢村岡線は、鎌倉市寺分字堅畑から鎌倉市寺分字堅畑に至る延長約20mの都市計画道路です。
このうち、藤沢3・4・23号村岡新駅南口通り線は村岡・深沢地区土地区画整理事業施行地を除く区間で、鎌倉3・4・5号深沢村岡線は全線で道路を整備する事業を行っています。施行は藤沢市と鎌倉市がそれぞれ行っています。
藤沢市施行箇所 | |
事業の名称 | 藤沢都市計画道路事業 3 ・ 4 ・23号村岡新駅南口通り線 |
施行者 | 藤沢市 |
延長 | 約290m? |
幅員 | 17m(代表) |
車線数 | 2 |
事業施行期間 | 2023年10月23日~2032年3月31日 |
備考 | 柏尾川の北側まで |
2023年10月23日時点 |
鎌倉市施行箇所 | |
事業の名称 | ⑴藤沢都市計画道路事業 3 ・ 4 ・23号村岡新駅南口通り線 ⑵鎌倉都市計画道路事業 3 ・ 4 ・ 5 号深沢村岡線 ⑶同3 ・ 5 ・ 7 号腰越大船線(関連外郭部) |
施行者 | 鎌倉市 |
延長 | 40m |
幅員 | 20m |
車線数 | 2 |
事業施行期間 | 2023年10月23日~2032年3月31日 |
備考 | 柏尾川を横断する部分で,藤沢市域を含む |
2023年10月23日時点 |
この枠内の情報は随時更新されます。記事本文の情報と枠内の情報に時間的差異が生じる場合があります。
写真等
撮影位置はこの通りです。
土地区画整理事業 村岡工区
村岡・深沢地区土地区画整理事業のうち、藤沢市側の村岡工区内の様子です。
この右側一帯が土地区画整理事業の施行地区に含まれています。
村岡工区内の東海道本線には新駅「(仮称)村岡新駅」が設けられる予定で、この写真の村岡東二丁目交差点から駅の方向に面積5900㎡の交通広場が建設される予定となっています。
また、この道路、市道藤沢村岡線(藤沢3・5・16号藤沢村岡線)のうち土地区画整理事業施行地区内について、計画幅員を12mから18mに広げる都市計画変更を行っており、土地区画整理事業において拡幅がされる計画です。
(仮称)村岡新駅の設置予定地北側は、テニスコートやフットサルコートが立地しています。
土地区画整理事業は事業としては始まっていますが、工事は見られませんでした。
なお、事業は協定に基づき、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が行う予定です。
土地区画整理事業の区域には、既存開園済みの十二天公園も含まれています。
十二天公園は施工後は面積が減るという、そんなことしていいのかという疑問の湧くことをしています。
土地区画整理法施行規則では、施工面積の3%以上の公園設置を求めていますが、村岡工区の面積が約7.28ha、これの3%は0.218ha。施工後の公園面積は約0.30haで、施行規則は満足するものの、この公園をわざわざ施行区域に含めない場合は別に公園を設ける必要があることから、減歩率を下げるために計画地に入れているのではないかと疑念を持たざるを得ません。
そもそもこの公園も、1965年から1976年にかけて組合施行の村岡東部土地区画整理事業によって整備されたもので、土地区画整理事業の施行面積61.32haに対して事業地全部の公園面積1.86haは3%となります。
法及び施行規則は過去施行地区の面積等までは縛っているものではないと思いますが、過去において基準を満たすように配置した公園を、この後に及んで減らす方向で事業地に含めることは、法の理念を鑑みると、果たしてそれはいいことなのかと疑問を抱きます。
写真の方向に東海道本線の新駅ができる予定です。
この跨線橋自体は土地区画整理事業の施行地区には含まれていません。
駅の南北は通路及び駅舎で結ばれる計画になっています。この付近に南口ができる計画となっています。
新駅の建設に当たっては、2022年3月28日に「JR東海道本線の大船駅と藤沢駅間における村岡新駅(仮称)の設置及び⾃由通路整備に関する基本協定書」が神奈川県、藤沢市及び鎌倉市とJR東日本で締結しているほか、2024年5月20日には工事に関して「東海道本線大船・藤沢間村岡新駅(仮称)の設置に伴う工事等の施行に関する協定書」を締結したことが発表されています。
報道発表によると、工事については、秋ごろから工事に着手し、2032年頃の開業を目指すとのことです。
(仮称)村岡新駅の南口予定地周辺は、生産緑地が広がっています。
駅から深沢方向に向かって都市計画道路(シンボル道路)が整備される計画で、駅前には面積約5200㎡の交通広場が設けられる計画となっています。
3年前と変化はありませんでした。
シンボル道路
(仮称)村岡新駅の交通広場から県道304号(腰越大船)に向けて、シンボル道路として都市計画道路が決定されました。
藤沢市内は藤沢3・4・23号村岡新駅南口通り線、鎌倉市内は鎌倉3・4・5号深沢村岡線です。藤沢市と鎌倉市が土地区画整理事業とは別に事業を行っています。
事業予定地の多くが神戸製鋼所の敷地内を通る計画となっていますが、航空写真を見る限り、工場の主要建物は含まれていないように見えます。
この付近を通る計画です。
柏尾川の神鋼橋北側を横断する計画で、新たに橋梁を架ける予定のようです。現時点で事業認可を周知する看板等は見当たりませんでした。
土地区画整理事業 深沢工区
村岡・深沢地区土地区画整理事業の深沢工区は、旧JR車両工場の敷地と、それに連坦する土地も含まれています。
施行地西側は、写真に写る県道304号(腰越大船)から先が事業区域になっています。
シンボル道路がこの部分まで整備される計画で、その先の土地区画整理事業も続けて区画道路が整備される計画で、湘南モノレール湘南深沢駅付近まで道路が繋がる予定です。
県道304号(腰越大船)に決定されている鎌倉3・5・7号腰越大船線は、土地区画整理事業施行地区近辺の計画幅員を12mから16mに都市計画変更しています。土地区画整理事業により拡幅整備される模様です。
事業地南側は、写真道路の右側までが事業地に含まれている模様です。
写真中央の水路は、事業計画図を見る限り、区画道路の区域に含まれているように見えます。
施行地区の大部分を占める旧JR敷地は、サッカーグラウンドや駐車場などとして利用されていますが、大部分は何もない空き地のままとなっています。
この付近に小さな駅前広場が設けられる模様です。
この付近に、(仮称)村岡新駅から繋がる道路が繋がる予定です。
また、鎌倉市役所が事業地内のこの右側付近に移転する計画が進められています。
撮影日:2024年4月7日 記載内容は執筆日または撮影時のものです。変更があった場合も追記できていない場合があります。